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奈良の心理カウンセリングルーム(発達障がいの理解と支援)

第2回子ども若者支援機関研修を受講しました

2019/08/21(水)


昨日は奈良県子ども若者支援機関研修会の第2回目に参加させて頂きました


講師はジャーナリストの池上正樹さん。


20年以上にわたって「ひきこもり」関係の取材を続けて、


100人以上の当事者の方々とのやり取りを重ねておられます。



・話を聴いてもらえない


・どこにも居場所がない


・人が怖い(周囲の視線が気になる)


・生きたいと思えるようになりたい


・社会が安心できない


・早く死んでくれって社会から言われて いるような感じがする・・・


 などの当時者の方々の声を教えて下さいました。



ひきこもる背景はさまざまで、リストラや介護、いじめ、暴力、ハラスメント、


超過勤務、病気、災害、事件事故など、一人一人違うとのこと。



社会や家庭の中で居場所がなく、働いていない自分、学校にいけていない自分を


責め続け、周囲からも責められ、説教をされ続けて、人が怖くなり、夜間になって


人目を忍んで外出をされているかたが多いそうです。



そして、カンがよく、周囲の気持ちがわかりすぎる人、


相手に気遣いしすぎて疲れる人、


迷惑をかけたくない、断ることができない、


助けを求められない方々が多いそうです。



恥の文化が根強くて、ひきこもる家族を心配しながらも、


困り感を発信できず、「人に知られたくない」と隠し続け、


「とにかく早く働け!」と責め続けることになってしまうようです。



ひきこもる行為は、自死せずに生き続ける道としての選択肢だそうです。


そして、ひきこもる本人よりもまずご家族の支援が大切だと教えていただきました。


それは、ひきこもるお子さんにとっての唯一の社会との窓口だからだそうです。


親の愚痴を聞いてあげられる人を育てる、場を作ることが大切だと・・・。


生きていくことに希望が持てなくなっている人への「働け!」と自立を促す言葉


は、その相手を全否定するほどの、一番つらい言葉だそうです。




私が汚い字で走り書きしていた内容なのですが・・・


・多様な人が共生できる偏見をもたない地域力


・支え支えられる循環の地域共生


・ふつうに接してくれる、ふつうに話をしてくれること


・就労を押し付けるのではなく、傷ついた心をいやすこと


・安心できる居場所を提供できること


・好きなこと、生きる希望を


  ・・・などなど。



「ひきもこの人たちが生きやすい社会はみなが生きやすい社会」であり、


困ったときに「助けて」と言えるような関係になるとよいとのことでした。



私はこの数年、ひきこもりの状態のご家族がおられるかたからの


ご相談を受けることが増えていました。



そのご家族のかたのつらいお気持ちは聴けても、


私は具体的にどうしたら良いのかわからなくて、


とにかく勉強しなければ!と、必死で情報を探していたところ、


この奈良県子ども若者支援機関研修会があることを知り、


昨年も受講させて頂いておりました。



昨日は奈良県内のベテランの支援機関さんがたが約50人


居場所なぁなぁのことをHPに掲載してくださった「あかるいみらい準備室」さん


や、昨年DDACの懇親会でお世話になった奈良の成人発達障害自助会の


「ペパーミント」さんにもご挨拶ができました。



困っておられる方々への連携をもっと深めたいとの声もあり、


この流れはすばらしいなあと思いました。



帰りには、同じ班になった自立支援ホームを運営されているかたに


お声をかけていただいて、


奈良県庁の一階のカフェで、鹿さんを見ながらいろいろなお話ができました。



連日の暑さで心も体もへとへとで、仕事も山積みだし、


実は研修行くの休もうかなあ・・・と思いながらの参加でした。



神経の疲労は身体の疲労の3倍だと前にある心療内科の先生から


お聞きしたことがあるのですが、



ここのところ、ネガティブな考えが頭の中をぐるぐる・・・になりかけていた


たわいもない私の話をじっくり聴いてくださり、とてもありがたい研修会でした。



きもちを聴いてもらえるってこんなに有難いことなんだなあと


再確認できた一日でした。